PROJECT STORY 02

電気編
前例のない大型案件。
だが、他にできる会社がない。
自分たちがやるしかないという責任感から、
すべては始まった。
MISSION

2011年3月に発生した東日本大震災では、大規模な停電が人々の生活に打撃を与える一方、非常用発電設備を備えた施設では、被害を最小限に食い止めることができた。その後、日本では地震、台風など自然災害が頻発し、非常用発電設備の重要性が広く認識されるようになっている。
第一テクノは超高層ビルや大型商業施設、病院、データセンター、放送局等の非常用発電機設備の計画・設計・施工管理・メンテナンスを一貫して手がけており、現在、再開発が進むエリアでは、多くのプロジェクトが進行中である。そのような中で、第一テクノにとって前例のない大型案件が舞い込んできた。大規模な都市再開発事業において複数の数千kVA規模の大型デュアルフューエル式ガスタービンと5万Lを超える大容量地下タンク十数基を施工するというものだ。見積り金額も20億円を超えると思われた。
早速、この案件を担当するメンバーが人選され、プロジェクトが始まった--。

*学生の皆さんに第一テクノの仕事をわかりやすくお伝えするため、一部、フィクションが含まれています。

PROJECT MEMBER
  • 久保田 明
    Akira Kubota
    発電システム本部 営業担当
    2005年入社
    非常用発電設備の施工管理担当を
    経て、2016年から営業を担当。
  • 大宮 周祐
    Shusuke Omiya
    発電システム本部 工事担当
    2013年入社
    入社以来、非常用発電設備の
    施工管理を担当。
  • 佐藤 雄介
    Yusuke Sato
    サポート部 営業担当
    2013年入社
    非常用発電機設備の
    メンテナンス担当を経て、
    現在は営業を担当。
  • 岩瀬 孝樹
    Koki Iwase
    サポート部 メンテナンス担当
    2013年入社
    入社以来、非常用発電設備の
    メンテナンスを担当。
EPISODE 01
これだけの
規模の工事は、
第一テクノさんしか
できません

「Aビルの件ですが、第一テクノさん、お願いできませんか」  非常用発電設備を製造しているメーカーからの電話連絡に、営業担当の久保田明は驚いて問い返した。 「AビルはB社さんが担当すると聞いていましたが」 「御存知だと思いますが、Aビルは大型案件です。じつは、マンパワーの関係で、B社さんでは難しいということになりました。これだけの規模の工事ができるのは、第一テクノさんしかありません。なんとか検討していただけませんか」 「わかりました。施工管理の担当と相談してみます」  久保田は受話器を置くと、すぐに施工管理の担当者をマネジメントしている工事担当の副部長のもとに急行した。  久保田の説明を聞き終えると、工事担当の副部長は、「うーん」としばし言葉を詰まらせた。そして、おもむろに口を開いた。 「なんとかしましょう。これ、うちにしかできないよね。だったら、うちがやるしかないでしょ。」  そう言うと久保田の顔を見てニヤリと笑った。強い責任感と覚悟。そんな想いをストレートに表すことへの少しばかりのハニカミ。副部長の笑顔に、久保田はそんな想いを読み取った。  施工管理の担当には、入社以来多くの現場を担当してきた大宮周祐が選ばれ、久保田、大宮を含めた関係者10人が集まり1回目の会議が開かれた。この会議は「コストダウン会議」と呼ばれ、工事担当が積み上げた原価が適正かどうか議論される。 「大型案件では、工程が複雑になり、附属する設備も多くなるので、見積りを入念に検討しないといけません。ここで見落としがあると、赤字がでてしまうのです」と久保田は説明する。4時間近い議論を終えて、価格交渉の土台が出来上がった。  メーカーからの依頼とはいえ、実際には設備会社に見積りを提出して価格交渉をしなければならない。その準備がこの「コストダウン会議」だった。

EPISODE 02
この図面通りの配管、
設置できませんよ

設備会社との交渉がまとまり、2回目の会議が開かれた。今度は工種ごとに予算を決める。
「この会議で決まった予算と工事担当が作成した施工図をもとに、配管、ダクト、電気、塗装など8業種の会社に見積りを依頼し、実際に工事をしていただく協力会社を選定していきました」と工事部の大宮は説明する。その後、大宮たち工事担当は、工程表を作成するなど準備を進めた。
工事開始1ヵ月前には、協力会社の担当者とともに現場を調査し、工事に必要な資材等の発注などを行った。実際の現場工事が始まると、大宮の仕事は安全、工程、品質の管理を行うことになる。なかでも難題は、工程管理である。
建築現場では非常用発電設備の設置工事だけが行われているわけではない。空調、水道衛生、電気通信といったさまざまな設備工事が同時進行で行われており、設備会社を含めて調整のミーティングが行われる。工事の順序を巡って意見が対立することもある。主張すべきところは主張し、譲れるところは譲る。その結果、こんなことが起きた。

「大宮さん、この図面通りの配管、設置できませんよ」
協力会社の技術者から指摘を受けて現場を見に行くと、第一テクノの描いた施工図で配管を通すことになっていた場所は、別の工事の配管がすでに通されていたのだ。大回りして配管を通すしかない。大宮はすぐに営業担当の久保田に連絡を取り事情を説明した。
「わかった。配管については追加工事になるので、設備会社と交渉するよ」
いつもながら歯切れのよい久保田の言葉に、大宮は胸をなでおろした。
いくつかの想定外の出来事は起きたものの、そのたびに久保田に相談したり、工事担当の上司に相談したりしてピンチを乗り切り、計画段階から数年にわたった工事は無事、終了した。

EPISODE 03
相当気合を入れて、
向き合わなければ
ならない

工事が終了しても、第一テクノの仕事は終りではない。納入した非常用発電設備のメンテンナンスの仕事も受注するチャンスだからだ。
大宮はメンテナンスを担当するサポート部の営業担当である佐藤雄介に声をかけた。同期入社で気心が知れている。大宮は佐藤とともに「取り扱い説明会」に参加した。これは施主とビル管理会社に対して、非常用発電設備の使い方を説明する会である。そこで佐藤にビル管理会社の担当者を紹介し、メンテナンスの契約をいただくためのお膳立てをしたのだ。
施工を担当した会社は、メンテナンスの営業で有利な位置にいる。お客さまからすると、何か不具合があった時に、第一テクノの中で連携して問題解決を図ってもらえるという安心感があるからだ。
ただ、佐藤はこの案件のスケールの大きさに、いささか緊張気味だった。
「規模が大きいと、それだけ付帯設備も多いので、メンテナンスも入念な準備が必要になります。一般に非常用発電設備1台につき1日かけて点検するスケジュールを立てるのですが、数千kVA規模ともなると6、7人がかりなので、それだけの作業員をそろえなければなりません。しかも、複数台あるので付帯設備のことを考えると1週間程度必要になります。こうした準備のことを考えると、これは相当、気合を入れて向き合わなければならいことがわかるわけです」と佐藤は話す。
メンテナンスにかかる費用を見積り、ビル管理会社と交渉、無事、契約をいただくことができた。

EPISODE 04
みんな誇りを持って、
この仕事に
取り組んでいる

このプロジェクトでは、もう一人、大宮、佐藤と同期入社である岩瀬孝樹も関わっていた。岩瀬はサポート部でメンテナンス作業を担当している。「とにかく機械いじりが大好き」という岩瀬は、入社以来、島嶼発電所から大型物件まで、あらゆる現場を経験してきた。岩瀬は佐藤から相談を受けて、作業に必要な人数の見積りをした。
「数千kVA規模の非常用発電機設備が複数台あると聞いて仰天しました。私がこれまで担当してきたなかで、最も大きい規模のものは6,000VAの発電機でしたが、1台だけでしたからね。ただ、どんな設備なのか、早く対面したいなと。佐藤から聞いた時には、ワクワクする感じがしました」と岩瀬は言う。
実際に岩瀬はまだAビルのメンテナンスの作業を行っていないが、工程表にはすでに書き込まれている。Aビルにおける非常用発電設備に関するすべてが書かれている完成図書を取り寄せ、勉強を開始している段階だ。
「これだけの規模になると、標準以外で付いている設備が多いので、どんなものが付いているのか、分厚い完成図書を読み込んで準備しなければなりません。自分の知らない設備もあったので、先輩に聞いて教えてもらっているところです」と岩瀬は話す。

第一テクノが扱うメーカーのガスタービン非常用発電設備は、36年後に交換することが推奨されている。久保田は感慨を込めて、こんなふうに話した。
「若手時代に施工管理を担当した設備が、定年間近になって更新時期を迎えるということ。そのような時間軸で考えても、スケールの大きな話です」
そのうえで久保田は、仕事のやりがいについて、プロジェクトメンバーの気持ちを代弁した。
「私は東日本大震災の発生時に、ある著名な建造物に非常用発電設備を設置する工事の施工管理を担当していました。それだけに、この仕事の重要性は痛感しています。また、今回担当した大宮・岩瀬・佐藤の同期入社の3人組は、当時、就職活動中で、東日本大震災がきっかけでエネルギー問題に興味を持って、当社の門を叩いたといいます。設置した非常用発電設備が稼働する局面は無いに越したことはないのですが、万一の時のために私たちの仕事がある。そのような意味では、みんな誇りを持って、この仕事に取り組んでいると思います」。